イシュタルの悪戯。

3版は完全埋没ブログ。会社にバレテ訴えられたら死にますw

」uck-5片-

家に帰り布団に入った俺は眠ることができなかった。
眠ってしまったら香賀に殺される気がしたからだ・・・
しかし睡魔には勝てず、鳥が鳴いていた事までは覚えていたがいつのまにか寝入っていた。
気がついたのは午後1時だった。
こんなにも寝覚めの悪い日はない・・
ベッドで少し座ったまま二度寝しようか、起きようか頭が本能と理性とでたたかっている。
その時杏子からの電話で目が覚めた。
「なに?・・・」
「なに?・・・じゃないわよ。もしかして忘れてるの・・・」
かなり怒ってる様子だ。
「あ〜・・悪い。昨日......」
「悪いじゃないわよ。3時間待ったいたのよ!あなたは今お目覚めですか!!?」
どうやら言い訳する余地も与えてくれないらしい・・
「ごめん、今から行くから・・」
俺は一呼吸置いて。
「あのっさ、結婚しないか?もっと先に言おうと思ったけど実はジェネリック開発本部開発部に採用されて、将来的には700万........」
その時にはプープーと電話が切れた事を伝える音が耳元で空しくなっていた。
俺は携帯をベッドに捨て寝間着を脱ぎ棄て私服に着替え、家を飛び出した。
池袋の切符を買い新宿湘南ラインに飛び乗る。
電車がこんなに遅いと感じた日はない。
メールを入れるが返信が来ない。


駅に着くと急いで待ち合わせ場所の『いけぶくろう』に着くが杏子はいない。
俺のぶつけ様の無いイライラは間抜けズラで、しまりの無いダジャレの『いけぶくろう』に向いていた。
『いけぶくろう』の頭を小突きながら待っていると、後頭部をひっぱ叩かれ振り向く。
…誰もいない。
が、その下には杏子が仏頂面で立っていた。

」uck-4片-

バシュ!!
ものすごい圧のエアーが抜ける音が部屋中を駆け回った。
俺は膝から崩れ床には液体がにじみ出る。
「おっとリードエラーだ・・弾ずまりを起こした」
俺は頭が真っ白だった。
そして初めて漏らした事に気が付く。
「どうだ、これで信じたか?何なら何回でも試してもいいんだよ」
再び銃口を俺に向ける。
「わ・・わかった。から止め、てくれ・・・」
顎が痙攣してうまく言葉が出せなかった。

先生はビーカーの液体を飲み酔っていた。
ポケットから薬の入った小瓶をテーブルに置く。
「とりあえず持っていなさい」
「何ですかそれは・・」
俺は腰が抜けたのかその位置から動けなかった。
「私が作ったドラッグだ・・」
「!!?」
「安心したまえこれは完全なオリジナル、ゆえに合法だ」
・・・噂は本当だったのか。
「俺に持たせてどうする気だ?」
不気味な笑みを見せ
「これは聴覚野を除いた脳に覚醒状態をもたらす薬だ。」
「それを飲むとどうなるんだ?・・」
「言われたことを忠実に行う生き物になる・・聴覚、触覚、臭覚だけが正常で他が暴走状態だとそうなるだろ? それでも大学生か?」
「先生は何が目的ですか?・・」
香賀は席を立ちドアへゆっくり歩きだす。
「天海君用事は済んだからもう帰っていいよ」
そう言うと部屋から居なくなった。

俺は腰が抜けたようで当分立ち上がれなかった。

」uck-3片-

3階までの道のりは長く無言のまま研究室に付くと先生はノブに手を掛ける。
キィィイ・・と不気味な音を立てた。
「入りたまえ・・」
先に通す先生に対し気持ち悪さを感じる。
入ると先に感じたのが薬品の鼻を突く臭い・・
目に入るのはやばそうな錠剤や粉末がテーブル散乱してる。
俺も薬は詳しいが知らない薬ばっかりだった。
「話って何ですか?」
ドアを閉める先生に尋ねた。
「まぁ、椅子に掛けてゆっくり話そうではないか・・」
先生は俺に、椅子に座る様にせかせた。

「何ですか?早くしてほしいんですけど・・」
「少し待ちたまえ・・」
先生はエタノールをビーカーに注ぎ、蛇口をひねり水を注いでいた。
隣の冷蔵庫から氷を取り出しその中にいれ
テーブルの上にあるスッティックシュガーを数本入れて席に座る。
「飲むか?」
先生はそれを飲む。俺は顔を引きつらせる。
「話って何ですか?」
「・・・。では話そうか」
不気味な顔がこちらに向く。
「天海君。自分自身運がよいと感じたことないかい?」
「無いけど周りにはいつも言われるな・・・。だから?」
先生は無言で数枚のプリントを渡した。
そこには『運と防御本能の繋がり。仮説』と書いてある。
俺は適当に目を通す。
プリントを投げ置くと
「なるほど、見てたのか」
「あれは自分でどう思う?」
腕を組み背もたれに身を任せる。
「確かに・・あれは運が良かったな・・ だから何なんだ?」
睨んで一言
「その後は俺を常に観察してたのか・・趣味悪いな」
先生も不気味な笑みを浮かべ寄りかかった。
「軽蔑されるのは覚悟のもとだ、僕の論文が世に通ればそんなこと大したことではない、それに仮説を読んだからって信じてもらえないのは判っている。」
俺は鼻で笑い「じゃぁ・・」と口にしたところ
「だから現実を見せて証明してやろうではないか・・」
そのセリフと発音が殺意すら感じた。
「実は天海君の椅子には毒針を仕掛けさせてもらった。マイトトキシンだ」
俺はあわてて席を立つ
確認すると針のようなものが椅子に倒れていた。
先生だという立場を忘れどなり散らした。
「殺す気か!お前それがどんだけ猛毒か知ってるんだろ!?」
デーブルを両手で思いっきり叩く、薬が躍りだす。

先生は何事もなかったの様にエアーガンを取り出していた。
引き金を引き冷蔵庫へ数発撃つと簡単に穴があいた。
「これは150ジュールまで威力を高めたエアーガンだ・・ 」
不意に俺の額に銃口を向ける。
「点検済み99・9%故障はありえない・・」
と言いいながら引き金を引いた。

」uck-2片-

1:薬学部 天海 純


どうやら俺は運がいいらしい、この間もナイフで刺されかけたけど無傷だし。
運がいいのはいいんだが不良に絡まれやすい体質を何とかしてほしいものだ。
そんなことをぼやいていた。


「喧嘩買うからいけないんだよ・・」
横から顔をのぞかす。
彼女は彩樹 杏子。俺の彼女だ。
おせっかい焼きのちびすけ。
よく俺はそのせいでロリコン疑惑が絶えないが、たぶん違う。
見た目で惚れたのは確かだが・・・
・・たぶん違う。


「そのまま殴られてろと?」
「違う、逃げるってこと知らないの?」
「・・・。」
俺は逃げると言うことは頭になかった、その前に逃げるなんてできない。
杏子はそれを読み取ったのか、あきれ顔で俺の歩幅に合わせ大股で歩いていた。
俺は杏子の機嫌を直すかのように話題を変えた。
「そんなことより明日誕生日だろ?レストラン前もって予約しといたから・・」
「え・・・ホントに?ありがとうー!」
杏子は子供のような笑みをこぼす。
俺は彼女の無垢な笑顔がたまらなく好きだ。


そこへ猫背の男性が遮るように割って入ってきた。
「天海純君だね?」
「香賀先生・・」
香賀徹、おもに新薬の研究をしている。
秘密主義者で先生の詳しい事は知らない。
噂では陰でドラックの開発をして、自ら服用しているなどいい話は聞かない。
「話があるんだ、研究室に来てくれないか?」
顔は青白く眼の下にクマ・・
あまり近づきたくない人間だ。
「なんですか?」
先生は彼女を見て
「天海君個人の話なのでここでは話せません」
「判りました・・。んじゃ明日な」
杏子に別れを告げると、杏子は優しく手を振ってくれた。
俺は香賀先生と研究室へ向かう。

」uck-1片-

0:マッドサイエンティスト香賀 徹


運の定義ってわかるかい?
僕はこう仮説を立てた。

脊髄反射、フラッシュバックなどの防御本能の類に含まれると・・・


きっかけは僕の大学に通ってる生徒だ。
彼は長身で強面な姿をしている、一般の人間から見ればいわゆるイケメンに含まれるが。
不良どもからすれば絡まれる対象になる振る舞い立ちなんだろう、よく絡まれていた。

ちょうど僕の3階の研究室の窓から見える近所の駐車場に不良どものたまり場がある、そこで殴り合いをしていた。
彼は次々と不良をのしていった。
そのグループのリーダーであろう男がバタフライナイフを取り出し、背後から一直線に突き刺しに行った。
僕は心が躍りながらビデオを録画していた。
その時信じられない映像を捕らえた、彼に刺さるはずのナイフが刃の根ものからへし折れたのだ。



もちろん映像は何度も解析した。
ナイフは折れるほど古びたものでもなく刺す角度は背中に対し垂直、肉の固さからして折れることはない。
背中の方も防弾チョッキなるものは装着していなかった。
折れた刃を採取して分析したが新品そのものので欠陥品でもなく僕は刃が折れた原因を特定できなかった。

『運が良かったとしか思えない・・』
こう考えが息詰まる日々が続いた。
僕は彼を観察し実験することにした。


そして今仮説から確信へと変わった・・・

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